安心のファシズム読了
剣士アルガスのセリフ、まさかゲームのセリフでグッとくるとはまさか思わなかった。
最近、斎藤貴男氏の著書「安心のファシズム―支配されたがる人びと」を読み終えた。
- 作者: 斎藤貴男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/07/21
- メディア: 新書
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この本の初項では「イラク人質自己責任問題」に触れていた。
いわく、国家・メディアは救出を求める彼らと彼らの家族を「無責任かつ暴走しがちな低脳」にしたてあげ、それに世論が見事に引っかかった挙句、「自己責任」という魔法のワードが生まれてきたという。自分は見事に引っかかった口です。
読み進めるごとに、自分が疑わずにいた信仰とも言うべき国家への依存感や、それに乗じて「ユビキタス」*1「防犯カメラ」*2などの魔法ワードを使って国民の権限を狭めていく国家の政策などが明らかになり、だいぶタメになったし、落ち込んだ。
ニューヨークの犯罪発生率を減少させた「割れ窓理論」*3を自分は素晴らしいと信じていたのだが、結果としてこの政策は社会的弱者の立場を弱らせることになることを知り、まだまだ社会のことを分かっていないなぁと痛感した。
思えば自分はだいぶネットの考えに毒されている。
華麗なる遍歴はテキストサイト→2ch→Blog・Mixiなので自分には最近話題の「スルー力」(嘘を嘘と見抜く能力)があると思うのだがその先を行くオーラ力(真実を見抜く能力)は無いと、この本を読んで気づいた。
しかし、ここまで書いておいて「国家」とか「人権」とか面倒くさいなぁと思っているのも事実。
だって、「国民である」の前に非モテ、DTマインド装備のたまねぎ剣士だぜ。どんだけハンデ背負ってるんだ俺は。
だから、リベラリズム云々も全て理解するわけじゃなくて、自分の使いたいように使っていこうと思います。
ほら、思いつき&想像だけど、ジャマイカとかハイチとかの人とかって神を信仰しながらも自分の都合でどんどん設定を変えてそうじゃないですか。あんな感じでよろしくお願いします。
*1:駅の自動改札はわかりやすい人間に対する機械の支配
*2:「監視カメラ」では無く「防犯カメラ」と表記することによる支配感の軽減
*3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B2%E3%82%8C%E7%AA%93%E7%90%86%E8%AB%96#.E8.A9.95.E4.BE.A1